Vol.47 イチブンノイチ物語② 「役目を終えた」と思っていた私へ

私(フェムケアショップICHI BUNNO ICHI代表)がなぜお店を始めようと思ったのか、のお話。

子どもを産んだあと、
私はどこかで「自分の女性としての役割はもう果たした」と思うようになっていた。

母としての役割。
家庭を回す役割。
それができていれば十分で、
それ以上の自分を望むことは、必要のないことのように感じていた。

夫との関係も、
いつの間にか「家族としてうまくやること」が最優先になっていた。
本音をぶつけて衝突するより、
黙ってやり過ごすほうが大人だと思っていたし、
波風を立てないことが正解だと信じていた。

でも、
言葉にしなかった気持ちや、
置き去りにしてきた感情は、
なかったことにはならなかった。

ある出来事をきっかけに、
それまで積み上げてきたものが一気に崩れた。
関係は終わり、
私はひとりで立つことになった。

そのとき強く思ったのは、
「私は、いったい何者なんだろう」という問いだった。
長く働いてこなかったこと。
年齢を重ねていること。
社会の中での居場所が、急にとても心細く感じられた。

そして同時に、
自分自身の「身体」や「気持ち」と、
あまりにも向き合ってこなかったことにも気づいた。

私はずっと、
“誰かのための自分”を優先してきた。
母として、妻として、家族の一員として。

でも、
「私自身がどう感じているか」
「私の人生を、私がどう生きたいか」
その問いを後回しにし続けてきたのだと思う。

この経験を経て、
私は初めて、
自分の人生の中に「私自身を取り戻したい」と思うようになった。

年齢や立場に関係なく、
自分の身体や心を大切にすること。
自分の選択を、自分で決めること。

それは決して特別なことではなく、
誰にでもある、当たり前の権利なのだと。

今振り返ると、
あの頃の私は、
自分の人生の主導権を、知らないうちに手放していたのかもしれない。

だからこそ今、
私はこの場所で、
「自分を大切にする選択肢がある」ことを伝え続けたいと思っている。

それは過去の自分への手紙であり、
同じように立ち止まっている誰かへの、静かなエールでもある。

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