vol.41ひとみの部屋

動物の命に寄り添って見えた、女性のカラダの変化

こんにちは、ひとみです。

今回は女の子のペットによくみられる病気について獣医師としての経験を交えながらお話してみようと思います。

そしてその経験を通して感じた、私たち女性自身の身体との向き合い方についても、少しだけ一緒に考えてみませんか。

犬猫に関わらず避妊手術していない女の子のペットの多くは中年以降に子宮の病気に罹患する割合が非常に高いです。

特に多いのは子宮に膿が貯まる子宮蓄膿症という病気です。

症状は外陰部からの悪露や出血なのですが、なかには閉塞性で悪露の全くでないタイプのペットもいます。その他の症状としては発熱、下痢、嘔吐ですが、特徴的なのが良く水を飲むようになることです。

治療は一刻も早く外科的に膿のたまった子宮を卵巣も一緒に摘出することですが、様々な合併症を伴うリスクもあり、命にもかかわる恐ろしい病気の一つです。

言葉を話すことのできないペットの病気を早期で発見する事はとても難しく、また犬猫ではヒトの約4倍の早さで時間が経過するので病気の進行も4倍の速度で進行します。

私が獣医師として働いていた時は病院に連れてこられたときは既に、もう腹膜炎を起こしていたり多臓器機能不全を起こしていたり、播種性血管内凝固という血液の凝固異常を合併していたりするハイリスクのペット達がたくさんいました。

一方、手術が成功して合併症を起こさなければペット達の回復力はヒトより驚くほど速かったです。

手術で大きくお腹を開け、ヒトであればしばらくはベットの上ででうなってしまうであろう状態でもペット達はヒトの4倍の回復力で回復していきました。

瀕死状態だったペット達が元気で飼い主さんに連れられて家に帰っていく姿を見るのはとてもうれしく、やりがいを感じる時間でした。

このような病気は早期に発見できればその分リスク回避もできるのですが、言葉を話すことが出来ず、ヒトより本能でいきているので何となく具合が悪いという表現が難しく、軽度の異常、例えばヒトでいうならば頭痛がする、肩がこる、腰痛がある、倦怠感がある、熱っぽい、中等度までの腹痛があるなどの症状をペット達はなかなか表現しません。

では、言語を持っている私たちはどうでしょうか?

きちんとご自身の身体を理解し向き合っていますか?

定期的な検診も必要だと思いますが、私たち女性の身体も更年期を境に女性ホルモンが減少し、それにより様々な変化がみられます。

骨がもろくなったり、糖尿病、高血圧、動脈硬化、高脂血症などの生活習慣病のリスクが上がったりします。

その他、フェムケアの面から見ると女性ホルモンの減少に伴い膣も乾燥し萎縮します。

また、骨盤底筋の緩みもみられ尿漏れに悩まされたりもします。

尿漏れは40代以上の約50%が経験すると言われています。

原因は出産、老化、肥満、無理ないきみ等による骨盤底筋の緩みです。

こういった加齢により起こる様々な現象の原因と結果、予防策、対応策を知識として知っていることや、相談に乗ってもらえる場所があることは私たちにとって重要な事だと思いませんか?

ペットの小さな異変に気づくように、自分自身のなんとなく変だなに気付いてほしい。
それが、獣医としてたくさんの命と向き合ってきた私から、あなたに伝えたい思いです。

今や人生100年時代です。閉経後の50年を、どう心地よく、安心して過ごすかがとても大切になってきます。

私もフェムケアのお店に勤めて初めて知ることが沢山ありました。

季節の変わり目、自分自身と大切な子の体調、少しだけ気にしてみませんか?

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