Vol.51 イチブンノイチ物語⑥ ICHI BUNNO ICHIが生まれた理由
正直に言うと、
最初からフェムケアショップをやろうと決めていたわけではありません。
本当は、
「ありのままの自分を大切にしていいんだよ」と伝えられる教育がしたかった。
人と比べて優劣をつけるんじゃなくて、
人と違っていい。
私と違うあの子も、同じように素敵。
そう言える社会になったら、
世の中はきっと、今よりずっと生きやすくなる。
私は本気で、そう思っています。
この夢は、今もあきらめていません。
いつか、必ず形にしたいと思っています。
でも、学校をつくるというのは現実的ではなくて。
じゃあ私は、今、何ができるんだろうと考えました。
そのときに行き着いたのが、
「ありのままの自分を、いちばん受け止められていない場所」
それが、女性器や性のことなんじゃないか、という答えでした。
私自身、ずっと見て見ぬふりをしてきました。
自分の体なのに、
恥ずかしいもの、触れてはいけないもの、
主体的であるより、受け身でいることが“正しい”と
どこかで思い込んでいました。
きっと、私だけじゃない。
多くの女性が、性や女性器について
「知らないふり」「考えないふり」をしながら
生きてきたんじゃないかと思います。
だからまずは、
自分の体をそのまま見ていい。
わからないと言っていい。
恥ずかしがらなくていい。
そんな場所を作ろうと思いました。
お店の名前を
ICHI BUNNO ICHI(いちぶんのいち)
と名づけたのは、
「比べるための分母を、他人にしない」
という意味を込めたかったからです。
誰かと比べて、上か下かを決めるための「1」ではなく、
分母はいつも、あなた自身。
あなたの体も、感じ方も、選択も、
あなた基準でいい。
それが、
ありのままの自分を大切にする
ということだと思っています。
だからここでは、
こう伝えたいと思っています。
MY BODY, MY CHOICE.
これは、誰かに勝つための言葉でも、
強く主張するための言葉でもありません。
自分の体のことを、
自分で知って、考えて、選んでいい。
そのための、静かでまっすぐな言葉です。
フェムケアショップは、
私にとってゴールではありません。
これは、
ありのままの自分を大切にしていい社会へ向かうための、
ひとつの入り口です。
遠回りかもしれない。
でも、今の私にできる、いちばん誠実な選択が
この場所でした。
この連載をここまで読んでくれたあなたが、
もし
「自分の体も、選択も、これでいいと思っていいのかもしれない」
そう感じてくれたなら。
ここは、あなたの
一分の一を大切にしていい場所です。

