Vol.4 2023 夏の甲子園

慶応義塾高校が107年ぶり2度目の夏の甲子園優勝を果たした。 

「髪型自由」「長時間練習なし」という従来の高校野球とは一線を画する森林貴彦監督の方針が話題になった。 

あるテレビで慶応の森林監督はこんなようなことを言っていた。(正確ではないかもしれないが) 

「高校野球にはある種のストーリーを期待する大人がいる。」 

坊主頭で1にも2にも野球に全力で取り組む。そして何かしらの奇跡が起こったり。 

それを期待して望んでいる大人たちがいて、それをメディアも掻き立てている。 

とこんなニュアンスだったと思う。 

それを聞いて、私たちが扱っている「性」についても少なからず似ているところがあるな、と感じた。 

「女性が性に積極的だなんてはしたない」「母になったら、自分のことより家族(子供)を優先するのが当たり前」「つわりや生理痛・更年期障害などは仕方がないから我慢するしかない」などなど。 

こういうことって、結局は周りの意見や偏見がなんとなーく決めていることで、「本当にそうなのか?」「何がダメなのか?」と考える隙を与えず、昔からそうであることが当然のようになっている。 

これって高校野球の「坊主頭」や「長時間練習が当たり前」という風潮に似ている。 

今回、慶応義塾高校の107年ぶりの優勝で、「高校野球は坊主頭でなくてもいいよね」「野球以外のことには目もくれず、野球一筋でやれって違うよね」と世の中の流れは変化してきた。 

「色々言われたけれど、この優勝が今後の高校野球の多様性になれば」という慶応キャプテンや監督の言葉が、今までの批判の辛さや彼らが目指したい未来などすべてを物語っていると感じた。 

まだまだ世の中の「性」に対する考えは右へならえ感が強いが、「今までの当たり前」を再考してもらうきっかけになれるよう、また女性の選択肢の多様性を少しでも増やせるよう、これからも尽力していきたいと決意を新たにした夏だった。 

文:【ICHI BUNNO ICHI】代表取締役 宮前朋子 

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